kintone初心者がエキスパート試験に合格するまでの道のり <後編・カイゼンマネジメントエキスパート試験編>

はじめに
はじめまして。JCSでkintoneの伴走支援や開発を担当しているkと申します。
この記事では、kintone初心者だった私が「kintoneカイゼンマネジメントエキスパート試験」に合格するまでの勉強方法や体験談を紹介しています。
前回は、kintone初心者がエキスパート試験に合格するまでの道のり <前編・アソシエイト試験編>という記事で、アソシエイト試験に合格するまでの勉強法を書きました。アソシエイト試験に挑戦される方は、ぜひ読んでみてください!!
今回は後編として、kintoneカイゼンマネジメントエキスパート試験の受験体験記を書いていきます。
(アプリデザインスペシャリスト試験については、2024年4月1日に試験内容がリニューアルされたため、省略させていただきます。)
(おさらい)kintone認定資格とは?
kintoneの認定資格には、スキルに応じて4段階6種類の試験があります。(2025年03月27日時点)
一般的な資格と同様、それぞれの資格で求められる知識やスキル、経験が異なります。簡単にまとめると、以下のようなイメージです。
アソシエイト:初級者向け。kintoneの基本的な知識が一通りあることを求められる。
スペシャリスト:中級者向け。kintoneの実践的なスキルを持っていることが求められる。
エキスパート:上級者向け。kintoneを使った業務改善を推進できるスキルと経験が求められる。

※詳しくは[公式サイト]をご覧ください!
今回の記事では、カイゼンマネジメントエキスパート試験について、私の体験を含めてご紹介します。
kintone認定カイゼンマネジメントエキスパート試験への挑戦!
カイゼンマネジメントエキスパート試験とは?
-概要-
kintoneを活用した業務改善の実践力を証明する上級資格です。kintoneを通じて、組織の課題を解決するための分析能力と改善提案力が問われます。
-試験内容・合格基準-
試験は、一次試験(小論文・実績登録)と最終試験(確認試験)の二段階に分かれており、どちらも合格すると資格取得となります。
一次試験では、小論文と実績登録の両方で合格点に達しなければなりません。
小論文では、サンプル事例3つと、それぞれに対する5つの問題が出題されます。これに対し、kintoneSIGNPOSTに沿って解答を行います。
実績登録では、kintoneSIGNPOSTのテーマから1つを選択し、「実際のプロジェクト内容」「テーマに対する考え」「考えの根拠」について小論文で解答します。
一次試験の合格基準は、小論文と実績登録のいずれも70%以上で、kintoneSIGNPOSTの7つのステップが採点の評価基準となります。
一次試験に合格すると、最終試験(確認試験)を受験できます。この試験では、kintoneSIGNPOSTの全44パターンから択一および複数選択問題が出題されます。
最終試験の合格基準は、全20問中70%以上の正答で合格となります。

※詳しくは[公式サイト]をご覧ください!
受験経緯と受験結果
-受験経緯-
カイゼンマネジメントエキスパート試験については、直前まで受験の予定はありませんでした。しかし、社内の先輩方が数名受験されるということだったので、せっかくなら落ちるのを覚悟で挑戦してみようと思い、試験に申し込みました。
-勉強期間-
1か月ほど
-受験結果-
ギリギリですが、合格することができました
- 一次試験

- 確認試験

実際に行った勉強方法
-試験把握-
まずは、カイゼンマネジメントエキスパート試験が「どのような試験なのか」、「採点基準は何か」、「どのような対策が必要か」を把握するために、公式サイトやサンプル問題を確認し、実際に受験された方々の体験記事を読むことにしました。
これらの受験記事は非常に貴重な情報源であり、参考にさせていただいたものをいくつかご紹介します。
公式

トヨクモ 中井さん
R3 Institute 築山さん
星野リゾート こたけさん

-試験対策-
① kintone SIGNPOSTの理解を深める
試験の全体像がつかめたところで、いよいよ本格的な試験対策に取り組み始めました。まずは、カイゼンマネジメントエキスパート試験において最重要である「kintone SIGNPOST」の内容を徹底的に覚えることに集中しました。こちらの「kintoneSIGNPOST」は、資格取得を目指す人以外もkintoneを使った業務改善の進め方が学べるため、一度は読んでおく価値があると思います。
初めて読むときは、すべてをじっくり覚えようとするのではなく、まずは業務改善のステップや各ステップにどのような項目があるのかをざっと読み流しました。すると、主導して業務改善を行った経験がない私でも、kintoneを使った業務改善の概要を自然と把握できました。2回目以降は、各パターンや各項目、パターン実践ガイドも含めて、ほぼ丸暗記する勢いで読み進めました。試験までの1か月間は、毎日少なくとも1つ以上のパターンに目を通していたと思います。
また、SIGNPOSTを読み込む際には、自分の実体験と照らし合わせながら理解を深めるように意識していました。私自身がkintone構築を主導した経験はありませんが、過去に構築を進めていた先輩の姿や、自分が導入を進めるとしたら…というイメージを重ねながら読み進めていました。
② 実績登録の下書き作成
kintone SIGNPOSTの理解が深まった後、実際に試験で必要となる実績登録の下書きを作成しました。実績登録部分は、どのような内容を書くべきかが定められているため、試験勉強の時点で論述内容を用意できます。
私は、論述テーマとして定められた6つの中から「目的設定」と「設計の構築」の2パターンで下書きを作成しました。自分の経験とkintoneSIGNPOSTの具体的な内容を意識しながら、紐づけて記述することになるため、小論文の練習になると共に、kintoneSIGNPOSTの理解がさらに深まることを感じました。
時間がある方は、いくつかのパターンで実績登録の下書きを数回行うことで理解度が飛躍的に向上すると思います。
また、書いた実績登録の下書きは、先輩方に添削をしてもらいました。添削をしてもらうことで、客観的な意見を貰えるため、小論文を記述する上での参考になりました。
受験直前は、kintoneSIGNPOSTの暗記と実績登録を書き直しを繰り返していました。
③確認試験対策
確認試験対策としては、一次試験合格後にあらためてkintone SIGNPOSTを一通り読み直し、そのまま受験しました。
受験をしてみての感想
受験してみた感想としては、非常に難しかったです。
前情報で、試験時間が足りないと感じている方が多かったため、事前に実績登録の流れを暗記して、試験が始まったら小論文を一旦飛ばして、まず実績登録の記述を完了させました。結果的にこの方法は大変良かったと思います。残りの時間をほぼ全て小論文に集中できたため、「まだ実績登録が終わっていない」「実績登録を書く際に何を書こうとしていたか思い出さなければならない」といった手戻りを防ぐことができました。そのため、実績登録を先に書くことをおすすめします。
肝心の小論文ですが、受験中は手ごたえがほとんどありませんでした。覚えておいたkintoneSIGNPOSTの内容を思い出しながら、まるで穴埋めをするかのように記述していた記憶があります。試験後は「これは無理かもしれない」と感じていました。また、試験中に「さっきの問題でも同じ内容を書いたな、書き直した方がいいかな」と思う点がいくつかありましたが、結果としては合格していたため、多少疑問に思う点があっても、kintoneSIGNPOSTの内容から逸脱せずに記述することの方が大切だと感じました。
正直なところ、自分でも合格の要因がはっきりとはわかりませんが、振り返るとしたら、「実績登録は先に済ませる」、「kintoneSIGNPOSTをしっかり理解して臨む」ことがポイントだったのではないかと思います。
確認試験に関しては、一次試験に合格している方であれば、落ちることはないと思います!
おわりに
長くなりましたが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回は「カイゼンマネジメントエキスパート試験の合格体験記」として、私の学習法や受験を通して感じたことをまとめました。
この試験は、単なる知識ではなく「どう業務を改善し、人を巻き込んでいくか」といった実践力が求められます。だからこそ、準備の過程で自分自身の経験を見直し、新たな気づきを得ることができました。
今これから受験を考えている方や、少しでも興味を持っている方の背中を押すことができれば嬉しいです。私も自信を持ってエキスパートと名乗れるよう、さらに精進していきます!
この記事を書いた人
k
kintone認定カイゼンマネジメントエキスパート。
2023年にJCSに入社し、kintoneを扱うDX推進グループに配属されて以来、学びを重ねながらkintoneを使った業務改善に勤しんでいます。
自信をもってkintoneエキスパートと名乗れるよう、日々奮闘中です🔥