YoomとOpenAIとkintoneを連携して、問い合わせの回答を自動生成してみた

アイキャッチ
kintone
2023年01月18日

国産の業務自動化ツール、Yoomがアップデートを続けています。
2023年1月からは、ChatGPTで話題のOpenAIが提供している、テキスト生成APIと画像生成APIと連携できるようになりました!

ChatGPTは、2022年11月にリリースされたチャットボットサービスで、その高度な回答内容により、文章の自動生成や校正、プログラミングといった活用に大きな可能性を感じられています。

OpenAIのテキスト生成APIは、ChatGPTと同じ機械学習モデルが使われています。今回は、その高度な文章作成能力を活用した業務改善サンプルをご紹介します。

問い合わせの回答を自動生成して業務効率化!

OpenAIを使って、以前紹介した問い合わせ対応をさらに効率化してみます。

通常、問い合わせ対応において、

  • 問い合わせに対する回答を書く
  • 相手先がどのような会社なのかの確認

といったことは人が対応しなければできない部分ですが、これをAIに任せてみましょう。

Yoomを使って、以下のような流れを実現します。

  1. お客様がWEBフォームから問い合わせを行う
  2. OpenAIで問い合わせに対する回答案と、どういう会社かという情報を自動で生成する
  3. お客様の入力情報とOpenAIの生成した情報をkintoneに登録する

ちょっと便利になりそうで、ワクワクしませんか?

下準備

あらかじめOpenAIのAPI利用登録が必要ですので、こちらから済ませておきましょう。
無償試用可能ですが、基本的には有償サービスとなりますのでご注意ください。

利用登録とAPIキーの発行は、こちらの記事が参考になります。

次に、kintoneにアプリを作成します。

画像を参考に用意してみてください。

まずは接続設定から

ここからはYoomの設定になります。

Yoomのアプリ登録画面の一番下に、「OpenAI」というボタンが増えていますので選択しましょう。


OpenAIのアカウント名とアクセストークン(APIキー)を入力するだけで連携されます。

同様に、Yoomとkintoneの接続も必要となります。以前の記事を参考にしてみてください。

問い合わせ用のWEBフォームを作成

接続設定ができたら、次はフローの作成です。

お客様からの問い合わせが起動条件になるので、「フォームに情報を送信したとき」を選んで作っていきます。

問い合わせに必要な、名前や企業名などが記載できるフォームを作りましょう。

お客様に使ってもらうWEBフォームの作成は、これだけで完了です。

OpenAIで問い合わせの回答を生成

ここからOpenAIの設定を進めます。

フローボットの作成時に「アプリと連携する」を選ぶとOpenAIが選べます。

アクションで「テキストを生成する」を選ぶと、自動で文章を生成するフローになります。

続いて、APIの接続設定です。

「プロンプト」の部分にAIへの指示を書くと回答が返ってきます。今回は、自社がパソコン修理工場という設定で、お客様の問い合わせに対する返答をAIに書いてもらう形にしました。({{お問合せ内容}}の部分は、お客様が問い合わせフォームで入力した情報です)

ここの書き方を工夫することで、AIがうまく返答してくれます。

テストしてみると、それっぽい文章が返ってきました!

これで、問い合わせ回答の自動生成まで完了です。

お客様の会社情報を自動生成

続いて、お客様の会社情報をOpenAIで自動生成しましょう。

先ほどと同様にOpenAIのフローボットを作成し、「プロンプト」の指示を変えるだけでOKです。お客様の記載した「企業名」に対して、事業内容をAIに質問するという形にしました。

テストをすると、こちらもそれっぽい返答が返ってきました!

これで、お客様の会社情報の自動生成も完了です。

kintoneにデータを登録する

最後に、kintoneにデータを登録する設定を行います。
データベース操作のフローを作成し、実行アプリとしてkintoneを選びます。

下準備で用意したkintoneアプリに、レコード追加を行う設定をします。

レコードを追加する際、先に作成したOpenAIのフローからデータを持ってくることができます。
OpenAIで自動生成した返答をkintoneの返答案フィールドに登録、OpenAIで自動生成したお客様情報をkintoneの会社情報フィールドに登録・・・といった具合に、どのデータをどの項目に登録するかを選びます

設定が完了したら、テストをしてみましょう。

うまくいきました!これで、一通りのフローが完成です。

出来上がったフロー

最終的にはこのようなフローができあがっています。

  1. お客様がWEBフォームから問い合わせを行う
  2. OpenAIで問い合わせに対する回答案と、どういう会社かという情報を自動で生成する
  3. お客様の入力情報とOpenAIの生成した情報をkintoneに登録する

という流れが、簡単な設定だけで実現できています。

お問い合わせフォームを公開して運用すると、お問い合わせがあるたびに、以下のようなデータがkintoneに登録されます。問い合わせ内容だけが登録されるよりも、仕事が効率的に進みそうですよね。

注意点として、OpenAIが返す情報は、必ずしも正しいものではありません。(例えば、JCSはゲームの運営事業はしていません^^;

それでも、参考情報であったり、文章のたたき台としては優秀なものだと思います。人が修正を行うという前提をきちんと持っておけば、業務の効率化に一役買ってくれることでしょう。

おわりに

YoomとOpenAIとkintoneの連携例は以上になります。いかがでしたか?
アイディア次第で可能性が大きく広がるものだということがお分かりいただけたのではないかと思います。

ただ、そのアイディアが意外と出てこないということも事実です。そんなときは、我々のようなパートナー企業と話してみてはいかがでしょうか。DXには、ビジネス知識とIT知識の掛け合わせが必要です。お客様のビジネス知識と我々のIT知識を掛け合わせることで、新しいアイディアが湧いて出てくるかもしれません。

JCSは、サイボウズ社Yoom社の公式パートナーとして、kintoneとYoomの導入およびサポートを行っています。ご相談は無料で承りますので、興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。


この記事を書いた人

Yamada Takahiro

kintone認定アプリデザインスペシャリスト。事業責任者、PjM、開発、セールス、PR、マーケティング、組織管理と幅広く活動しています。いま好きなマンガはアオアシとキングダム。
Twitter:@yamada_jcs